昨日今日と、月に一度の連休を頂いている住田です
。
さて今日は、今年も開催されたジャパンケーキショーについて書きたいと思います
。
今年は10月1日から開催されましたので、作品の納品日は前日の9月30日の日曜日。
納品日前の、最後の休みの日は、もちろん出品する4人のスタッフはみんなノリエットで作業していました。
グラン ガトー部門に出品する寺山さん。
部門ごとの細やかな規定は、私にはわかりませんが
ある程度の大きさのガトーで、見た目と味で競う部門と思われます。
グラン ガトー部門は、年ごとにプティ ガトー部門と交互になるのですが
寺山さんは、去年のプティ ガトー部門で銅賞を受賞しています。
この日は9月26日なので試作段階で、出品するガトーはその後作ったものになります。この時のものを試食させてもらったのですが、味は、オランジュ、プラリネノワゼット、ショコラがメインで、めちゃ王道での、あえての挑戦と思われます。
そして岡本君。今年が初挑戦!であります。
岡本君は、ピエス・アーティスティック部門での出品。飴細工です。
26日の段階で土台は出来ていて、それに組み合わせていく飾りとなるパーツを作っているところです。
飴を伸ばして、花びらを一枚づつ作り、重ねあわせてこのようなお花になります。根気と繊細さを要求される作業です。横でうろちょろ邪魔してごめんなさい
。
同じく、ピエス・アーティスティック部門で出品する西嶋君は、私がノリエットに行ったとき、
ちょうど外に出てたので、この日の写真はありません。
そして去年と同じく、チョコレート工芸菓子部門での大作を出品する、大山すずちゃん。
今年のテーマは、エジプト、ツタンカーメンであります。旬なテーマですね
。大阪に始まり、今なお人気のため、会期延長されているツタンカーメン展、行ってみたいと思っていたところでした。もちろん彼女は、見学済み。
この日を終えた時点で、納品日まであと3日。
毎日の仕事を終えた後、毎晩続きをしていたんだと思います。
そして、納品日前夜。
リュタンの仕事を終え、ワタクシが差し入れ片手にノリエットに行ったのが夜中の1時すぎ。
ですが、、、。
グラン・ガトー部門で出品する寺山さんは、本体となるガトーを仕上げて、この日は帰宅済みで、
明朝、最後の仕上げをして納品、とのことでしたが、
飴細工の西嶋君と岡本君。チョコレート工芸のすずちゃんは
まだまだこれからが山場といった雰囲気!
ワタクシがノリエットに到着したこの時。
1:11。
すずちゃんの作品の重要パーツであるツタンカーメン像は出来ていましたが、まだ、土台まわりの飾り付けはこれから。
ピエス・アーティスティック部門に出品する西嶋くんは、この時点で、作品を入れるケースの準備中。
これから飴細工を組み立てる様子。
岡本君は、飴の土台に、作ったパーツを組み立て中。
3人が作っている場所を、i-phone 片手にうろちょろしながら、徐々に作品が出来ていく様は、面白くて、ついつい長居してしまう。
(面白いというと失礼なのかもしれないが、菓子の専門学校に1年や2年いたところで、飴細工やチョコレート細工までは行き着かないのである。その前に、基本の菓子作りだけでもいっぱいいっぱいで、そういった専門的なことは、普通の授業の後に、オプションの別料金で、勉強できるクラスがある位であった。私が辻に行ってた14年前は。)
1:28。岡本君。
パーツを土台にくっつけているところ。
いくつかあるパーツを、全体のバランスを見ながら慎重にくっくける。
土台とパーツの接着面をしっかり熔かして、頑丈にくっつければ
会場まで運ぶ際安心だが、美しくはない。
その兼ね合いが微妙なのだろう。
彼は、7~8割方出来上がっていた時点で、シェフ永井から
『センスがねーな』の一言をくらい、、
くらい、もとい!頂戴し、大幅にやり直す。。。
岡本君、みんなと一緒に頑張ろう!
すずちゃんが、土台にガトーを設置し始めて、西嶋くんが、パーツを作りながら飴細工を組み立てはじめたのが2:30ころ。
土台が出来た西嶋君は、ここからは準備してあったパーツを組み立て始める。
手の込んだ細やかな細工のお花。今ここでもし壊れたら、作り直してる時間はない。慎重に慎重を重ねる。
すずちゃんが、三カ月みたいな形の、不安定にも見えるところにガトーを設置し終え(見てるこっちはドキドキする。。)、西嶋くんが最後の仕上げをしているこのころが4:00前。
そろそろ先がみえてきた感じである。
まず最初に仕上がったのが岡本君。
『初めて(出品)にしては、まぁ、できたんじゃねーの』 とは、西嶋談
。
この写真ではうまく撮れていないのだけど、女の子の首飾りの可愛らしかった。
手が付いているのは、職人の象徴である『手』に思い入れがあって
それを入れたかったと、話してくれたように記憶している。
このときすでに4:00はとっくに過ぎていて、ワタクシの記憶も曖昧であることはお許し頂きたい
。
こちらは、西嶋君の作品。このとき4:30前。
この写真を撮ってしばらくしてからは、
背景がまっさらなところに移動させて撮ればよかった~
と後悔したものだが
今となっては、窯があることが菓子屋らしくて、それもまた味わいがあるように思っている。
この繊細な花を作るのに、どれだけの労力と時間がかかったことだろう。
これが飴であることを忘れさせる、写実性も豊かである。
去年より、腕を数段上げたのは一目瞭然で、きっと、仕事の後に、練習していたのだろう。
繊細で可憐な花を支える蔦は、カラフルな宝石のように輝いている。
写実的なクールな美しさと、ポップな可愛さが絡み合った、ステキな作品だと私は思った。
そして同じころ、すずちゃんの大作も出来上がった。
ツタンカーメンの頭の部分や、胸元は、きっちりサイズを合わせなければ隙間ができて組み立てれない。
寸分違わぬ作業が求められたことだろう。
土台のピラミッドもしかりである。
砂漠のオアシスのイメージなのか、パイナップルやパパイヤなどのフルーツもとってもステキだし、
蓮の花の美しさもまたしかりで、もっとアップな写真を撮っておけばよかったと後悔している。。
チョコレート工芸菓子部門は、茶色一辺倒な作品もいっぱいあるけれど
ゴールドやブルーを多用した今回のこの作品は、会場で多くの人の足を止めていた。
今回、賞を取ることはできなかったけれども
技術ではない何かでも、人に訴えることができるという証拠だと思う。
今回の、ジャパンケーキショーに向けて、みんなが作業してるところを撮った写真は
数えてみると、全部で68枚だったが、その中でこの写真が、私は一番好きである。
ケースに入れ終え、完全に仕上がった作品と作者のすずちゃんである。
このとき4:41。
徹夜で走り続けた疲労感と、納品に間に合ったという安堵感。
そして、出来上がった達成感からのちょっぴり幸せな雰囲気。
色んな気持ちが伝わってくる、素敵な表情だと思っている。
結果は後からついてくるもので
その過程にこそ、たくさんの大切なことがあるんだと思わせる貴重な一晩であった。
みんな、ほんとにお疲れ様でした。
真剣に作業してる横でうろちょろと邪魔だったと思うけれど
だたのノリエットファンとして、記録しておきたかった。
どうもありがとう
祈りを捧げて 新しい日を待つ
鮮やかに光る海 その果てまで